■安全装置


Kar98kのボルト後端の円柱部品(コッキングピース)は撃針とつながっており、ここにフラッグセーフティと呼ばれる安全装置が設けられている。

1.コッキングピース
2.安全装置レバー
3.ボルトスリーブ








写真はコッキングピースが前進位置にありコッキングされていない。この状態では引き金を引いても弾は発射されず安全である。安全装置レバーは左に振ってあり動かない(安全装置を掛ける意味がない)。

以下、本項の写真はブルーノ造兵廠(バンスカー・ビストリツァ)で1942年に製造されたKar98kを使用。










Kar98kはボルトハンドルを起こす動作と連動し撃針がコッキングされる。撃針が後方に下がったコッキング状態となっており、コッキングピースが12mm後退。射撃準備が整っていることが外観から識別できる。

レバーは左に振ってあり、安全装置が解除された状態。引き金を引くと、コッキングピースを後方で保持していたシアーが下がり撃針が前進、弾が発射される。










レバーを90度上に振ると安全装置が掛かり、引き金を引いても発射されない。レバーが照準線を妨げる位置にあるため「安全装置の解除忘れ」を防ぐことができる。






コッキングピースの上部にスリット(赤矢印)加工がある。安全装置レバーが左位置ではコッキングピースに干渉しない。上または右位置ではスリットにレバー本体が噛み合い、コッキングピース・撃針の前進を物理的にブロックする。これにより引き金を引いてシアーが下降しても撃針は開放されない。










レバーを右へ振ると引き続き安全装置が掛かり、またボルトの動きもロックする。




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