■フロントサイト
別部品のフロントサイトブレードは左右に調整ができる構造になっているが、生産工場で照準器の調整が行われ、動かないように固定する処置がなされている。後部には照準を容易にするために太陽光の反射を防止するセレーションが刻まれている。
フロントサイトガードは初期のKar98kにはなく、1939年12月に導入が発表された。ガードの無いKar98kは定期修理で回収される機会があればその際に溝を加工しフロントサイトガードが追加取り付けされているため、1939年以前に製造されたKar98kにも取り付け例が確認できる。
金属の弾性を利用し、溝にはまっているフロントサイトガードを外した状態。
■リアサイト
リアサイトは1(100メートル)から20(2000メートル)までの数字が刻まれ、射手が射距離に応じて調整するタンジェントサイト。ほとんど出番がないと思われるのだが、裏側にもご丁寧に調整用の数字が表と同様に入っている。
射距離1,000mに調整した状態。
リアサイト周りを分解。リアサイトは板バネによって銃本体に固定されているため工具なしでも分解できるのだが、取り外し・取り付けともに相当な力が必要。
写真一番左側のZF41用マウントベースは精巧に作られたレプリカ品。スチールの削り出しで製作されており本物と区別のつかないバッフェンアムト刻印まで打たれているがオリジナルではないので注意。その横はリアサイトにテンションを与える板バネ。
リアサイト本体は4つの部品から構成。各部品ともに手の込んだ加工がなされている。
リアサイトはVノッチと呼ばれる「V」字型にカットされた溝を有する。