■銃口まわり / バン・システム その2






リング型のピストンは銃口へ差し込む。発射ガスの汚れによる作動不良を防ぐため、外周と内側のそれぞれに複数の溝を加工し、汚れの逃げ場所を設けている。




ピストンの断面に打たれた「135」のバッフェンアムト。




写真右がワルサー社、左の長い方がマウザー社のピストン。外径はどちらも22.95mmと同じ。








銃身とピストン内側の寸法差は約0.05㎜。






スリーブとピストン外径の寸法差も約0.05㎜。部品同士が接する面はなめらかに加工され、ピストンはスムーズに動く。分解して部品を見る限りでは、素晴らしい加工精度の部品で構成される。一方、この精度では小さなゴミや砂の混入でも作動不良を引き起こし、スリーブが僅かでも変形すればピストンは動かなくなる。過酷な戦場で使用する小銃としてはあまりにも繊細過ぎる。












銃身に圧入されスリーブを保持する部品。スリーブ後部の2本爪がこの部品と嵌合することで真円のスリーブ部品が所定の角度で保持される。この部品はピストンのスムーズな動きとフロントサイトの固定位置にも影響するため、特に精度が要求される。




部品上部に「135」のバッフェンアムトと「8178」の製造番号。




部品の下側は一部がカット(赤矢印)されており、ここに作動ロッドが通る。






スリーブを外した銃口周り。ピストンは前進位置にある。






発射ガスを受けピストンが後退した状態。ピストンの移動距離は27mmと短い。





ピストン後方、銃身の下側に配置された作動ロッドは銃身上を前後に動くガイドピースにつながる。ガイドピースは左右にアームを持ち、このアームが薬室の両側を通ってボルトキャリアに接している。ガイドピースや各アームは削り出し部品が使用されており、後退した作動ロッド全体を銃口側へ押し戻すスプリングも銃身下に配置されるなど複雑な構造である。掲載品はこれらの部品が全て除去されているが、銃身と木製ストックの間に設けられた空間に納まっている。

一方、G.41(W)の作動ロッドはプレス製の簡易な1枚板だけで構成されており押し戻すスプリングも無い単純な構造を採用している。




ガイドピースとつながる左右のアームは赤矢印の箇所まで伸びており、ボルトキャリアを後方へ押す。

G.41(M)の自動装填機構は次の順序で動く。
1. 引き金を引くとシアーが下降しファイアリングピン/ストライカーが前進、雷管を叩く。
2. 銃口から出た高圧ガスの一部がマズル・コーン内部にたまる。
3. マズル・コーン内の高圧ガスがピストン側へ流入。
4. ガスに押されてピストンが後方へ27㎜動く。
5. ピストンに接する作動ロッド → ガイドピース → 左右アーム → ボルトキャリア という順に後退動作が伝わる。
6. ボルトキャリアの後退が始まると、内部のカム機構によってボルトが90度回転。閉鎖が解かれたボルトはボルトキャリアと共に後退する。
7. ボルトのエキストラクターによって薬室から引き抜かれた薬莢はレシーバー左のエジェクターにあたり、銃の外へ排出。
8. ボルト/ボルトキャリアはリコイルスプリングを圧縮しながら後退。
9. ディスコネクターの突起が後退するボルトキャリアによって押し込まれ、引き金とシアーのつながりを一時的に分断。
10. 後退しきったボルト/ボルトキャリアはリコイルスプリングによって前進。
11. 弾倉最上段の弾薬を薬室へ押し込むとともに、ファイアリングピンと一体になったストライカー部品がシアーに掛かり、次弾の発射準備が整う。



■銃身






銃身は緩やかなテーパー状になっており銃口側へ行くにしたがって細くなるシンプルな形状。銃身長はKar98kよりも50㎜短い550mm、4条右回りのライフリングは25cmで一回転する。




銃身上部には「135」のバッフェンアムトが4つと謎の刻印「D」。検査項目が多い重要部品(銃身やレシーバーなど)の場合、検査項目を細分化し、複数のバッフェンアムトを打つ場合がある。



もどる