■重機関銃の間接射撃マニュアル その1




右ページに写真やイラスト、左ページに簡易な解説文が書かれおり見やすい構成になっている。図1から図86まで。




陸軍総司令部(Ch. H Rüst u. B d E〔兵器総監兼補充軍司令官〕/AHA〔陸軍総務局〕)ベルリン,1942年2月3日

小冊子『重機関銃の間接照準』は、図解に簡潔な指導的解説を添え、関係規定に定められている要目の実施方法を示すものである。教官にとっての補助具であり、自己訓練にも役立てることを意図している。

照準方法の種類は、OKH(陸軍最高司令部)参謀本部/歩兵総監通達 第70/41号(1941年2月14日)に従い、次の三つに限定される。

照準棒法(Richtstabverfahren)
平行法(Gleichlaufverfahren)— Rkr.(※)を1つ使用
三角測量法(Meßdreieckverfahren)— Rkr.を1つ使用

※ Richtkreis、Rk31=照準円盤/角度計測器。




略語

B.-Stelle = 観測所(Beobachtungsstelle)
Dw.M. = 地形角度測定器(Deckungswinkelmesser)
F.-P. = 固定点・標定点(Festlegepunkt)
G.R. = 基本方向(Grundrichtung)
G.R.P. = 基本照準点(Grundrichtpunkt)
G.M.G. = 基準機関銃(Grundmaschinengewehr)
M.G. = 機関銃(Maschinengewehr)
M.G.Z. = 機関銃照準装置(M.G.-Zieleinrichtung)
Rkr. = リヒトクライス/照準円盤、角度計測器(Richtkreis)
Rkr.-Uffz. / Rkr.-U. = 角度計測器担当下士官
Sch.F. / S.F. = 砲隊鏡(Scherfernrohr)
St.U. = 位置差(Stellungsunterschied)
Z. = 目標(Ziel)




図1
間接照準の基本概念。

武器が「開放された射撃位置」にあるとは照準手が目標を目で確認でき、直接その目標に照準できる場合をいう。照準手自身も敵から識別されうる。

武器が「隠蔽された射撃位置」にあるとは、武器本体および発射炎・発射煙が敵の地上観測からは見えない場合をいう。ただしこの場合、照準手も敵目標を目視できず、直接照準はできない。

※図中の「火」を横倒しにしたような記号は重機関銃(G.M.G.)を、「Z.」は敵を示す。




図2
そのため隠れた位置から機関銃を射撃する場合、特別な方法で目標に照準を合わせなければならない。

a) 延長線が正確に標的の方向を向くよう、少なくとも2本の照準棒(Richtstäbe)を地面に刺す。この延長線上に機関銃を配置する。(照準棒法)




図3
b)角度計測器(Rkr.)または砲隊鏡やM.G.Z.(ラフェッテ用光学照準器)で観測地点からの角度を計測し、この角度を隠蔽された機関銃の照準装置へ転送する。これにより機関銃の射撃方向はRkr. — Z.(角度計測器 — 目標)を結ぶ線と「平行」になる(平行法)。
ここでは気象条件を考慮しない。




図4
仰角
ある値(距離、地形の角度、天候の影響)を測定し、専用の射撃表を元にこれらの値をミルに変換。計算で得た仰角を機関銃用光学照準器で設定する。

図の説明
a…「機関銃―目標(M.G. – Z.)の距離」。射撃で最も重要な情報。ここから射表上の「基準仰角=照準角」が得られる。

b…照準角 距離 a に依存する。

c…地形の角度
目標が銃口の水平線より上なら +(プラス)
下なら -(マイナス)

b + c = d = 最終仰角(気象の影響はここでは考慮しない)




図5
用語の定義。

基準方向点(G.R.P.)
目標地域内のよく見える固定点。可能なら観測帯/戦闘帯の中央。分隊(または群)の機関銃をまずこの点へ同一方向(並行方向)に合わせ、別目標へ振るときはここを基準に左右の変化量を求める。

基準方向(G.R.)
基幹機関銃(G.M.G.)と基準方向点(G.R.P.)を結ぶ線。その他の機関銃は、このG.M.G.に並行な方向が自分の基準方向となる。

基準機関銃(G.M.G.)
G.R.P.(または目標)に実際に合わせる代表の機関銃。他の機関銃はこれに並行に合わせ、射撃諸元もこの銃を基準に計算する。

位置差(St.U.)
2本の並行方向の直角距離(左右のズレ量)。

図の説明
+ = 指揮所
⦿=1・2・4はG.M.G.と同調する小隊の他の機関銃、G.M.G.に並行に設置




図6
Festlegepunkt(F.L.P.)
機関銃を左右方向へ固定するために指揮官が選ぶ基準点。

Grundzahlen(G.Z.)
機関銃を基準方向に合わせる際に求められる角度目盛りの数値(ミル)。

図の説明
F.L.P.1=目印となる地形上の点。
F.L.P.2=固定用の杭。基準機関銃(G.M.G.)— F.L.P.1を結ぶ直線上に、最長20m離して地面に打ち込み、一直線に整列させる。




図7
角度の単位。
照準器は左右と仰角の調整を角度目盛り(ミル)で行う。

・直角(90°)=100ノイグラード(Neugrad)
・1ノイグラード=16ミル(Strich)
・したがって一周(360°)= 400×16 = 6400ミル




図8
1ミルは距離の1,000分の1に相当する。

1ミルは1,000m先で横または高さに1mのズレが生じる角度。
対象物のミル角と距離が分かれば、対象物の幅が計算できる。
また対象物の大きさ(m)とミル角が分かれば距離を計算できる。

計算式
(対象物の大きさ/ミル)×1,000 = 対象物までの距離(m)
(ミル×距離)/1,000 = 対象物の幅(m)

例:15ミル、距離1,200m = (15×1200)/1000=18m




図9
ラフェッテ用照準器(M.G.Z.)

照準器は以下で構成される。
1.機械式の光学照準器
2.機関銃用の照準装置
3.左右方向への調整
4.自動的な射撃深度調整装置
5.仰角を制限する機能を備えた機械式射撃深度調整装置

この照準器は左右方向の角度調整を備え、射撃距離3,500mまでの仰角調整に対応。
この照準器は機関銃本体ではなく、ラフェッテ(機関銃用3脚架)に独立した光学照準器として取り付けられる。




図10
機関銃を水平に置く。
ラフェッテの角度調整可能な後脚や地面を掘ることで機関銃を水平に設置する。M.G.Z.には2つの水平器が装備されている。




図11
M.G.Z.で大まかな左右調整(ウィンデージ)を行う。射角調整ダイヤルのカバーは「indirekt」の表示が見えなければなりません(間接射撃の場合)。MGZは1目盛り100ミルを示す大きな表示と、1目盛り1ミルを示す表示があります。大きく角度を調整する場合、ギヤ接続をカットするレバーを押し下げ、照準器上部を設定する角度まで回転させる必要があります。「6035ミル」に調整する場合、大きな目盛りを60に合わせる。




図12
M.G.Z.で細かい左右調整を行う。1目盛り1ミルで表示されたダイヤルを回し「35」に設定する。100ミル単位の大きな目盛りが60(6000)を、1ミル単位の目盛りが35を示しているのでMGZは「6035ミル」の角度へ正しく向いている。




図13
機関銃の高さ(仰角)の設定。調整ダイヤルのカバーを「indirekt」に設定する。高さ方向も横方向の調整と同様に1目盛り100ミルの表示と1目盛り1ミルの表示があり、水平が3(300)に設定されている。高さ調整ダイヤルを回すと、2つの目盛りが同時に動き1ミル単位で調整できる。写真では高さを「393ミル」に設定している。




図14
ラフェッテのハンドルを回して仰角を調整する。射表板上の蝶ネジを緩める必要があります。※この蝶ネジは仰角のギヤをロックする。




図15
M.G.Z.の望遠鏡および照準鏡による照準。
射撃目標への照準、他の機関銃(友軍)または基準点を定める場合、通常はM.G.Z.の望遠照準器を使用する。M.G.Z.は倍率3倍、1,000mの距離で240mの視野があり、覗き口にはレティクルがある。

高低差が大きく望遠鏡で目標を捕らえられない場合は横に装備されている小さな照準鏡を使用する。ネジにより照準鏡を任意の角度で固定できる。




図16
左右の射角調整。
両サイドにあるブロック金具により射角の調整幅を制限できる。ラフェッテは左右調整用のスライドレールが架台後部にあり、射角調整用に0~65までの目盛りが刻まれている。1目盛り10ミル(1,000m=10m)。射手はブロック金具の位置を調整し射角を制限する。写真では左右にそれぞれ2目盛りを空けたところにブロック金具が設置されているので、機関銃の射角は左右へ20ミルまでしか振れないように設定されている。




図17
自動深度射撃装置
射撃深度は10までの目盛りがある設定リングで調整する。半分の目盛り(0.5や2.5など)は設定できない。写真は射撃深度2に設定。




図18
射角制限装置付きの仰角調整ハンドル。最初に射表板上部の蝶ネジを緩め、自動深度射撃装置の設定リングを「0」に合わせる。ハンドルの右側、上と下に分かれたギヤ付きプレートがあり、それぞれ0から5までの幅で動く。このギヤ付きプレートと仰角調整ダイヤルに設けられたギアが噛み合う(ダイヤルを右側へ押す)ことで上下方向の射角を制限することができる。

例 2,400mで100mの深度射撃を行う。

・自動深度射撃装置の設定リングを「3」にセットする。

・または、上のギヤ付きプレートを1.5に、下のギヤ付きプレートも1.5に設定し、自動深度射撃装置は「0」のまま。仰角調整ダイヤルを右へ押しギヤを噛ませる。




図19
機関銃の各種計測機器。

・標悍
・角度計測器(Rkr.)
・砲隊鏡(SF14Z)
・間接射撃用計算尺
・地形角度測定器

標悍は最もシンプルな方向指示具で、2本以上が必要です。間接射撃で目標の方向を示すことができる(照準棒法)。必要なら部隊で製作することもできる。

図の説明
「1」は「2」の中に差し込むことができる。
「2」は「1」の上に差し込んでつなげることができる。




図20
角度計測器 Rkr.(Rk31)は現場で角度を測定し兵器に方向を伝達するために使用される。

説明
A:上部  B:下部
1:水平器  2:接眼レンズ  3:仰角調整ダイヤル 1目盛り=1ミル  4:地形角度 1目盛り=100ミル  5:左右方向回転ダイヤル  6:ギヤ解除レバー  7:左右方向目盛り 1目盛り=100ミル  8:三脚取り付けネジ  9:左右方向目盛り 1目盛り=1ミル  10:円形水平器  11:ペリスコープ筒




図21
Rkr.の上部と下部はラッチ接続により着脱可能。「3」のレバーを押し込むことにより、接続突起「1」とガイドピン「2」を備えた下部に上部を載せられる。ガイドピン「2」により上部と下部は正しい位置で接続される。




図22
小型三脚31 (Rkr.用三脚)
Rkr.の望遠鏡で基準点や目標、機関銃を狙えるよう、低い位置に設置する。3つの脚のうち1本は敵の方向へ向ける。

図の説明
1:支柱  2:左右方向回転ダイヤル  3:雲台ボールジョイント  4:三脚基部  5:ボールジョイント締め付けネジ  6:脚ロックレバー  7:脚  8:伸縮脚ロックレバー  9:滑り止め防止スパイク付きの伸縮脚




図23
Rkr.は小型三脚に載せるため、下部に三脚支柱の差し込み穴「1」が設けてある。ノブ付きネジ「2」によって支柱に固定する。




図24
Rkr.の水平調整。
三脚雲台のボールジョイントを固定する蝶ナット「2」を緩めた状態でボールジョイント「1」を動かすと円形水平器「3」が作動し水平が確認できる。Rkr.は常に水平に設置されなければならない。水平位置に調整したら蝶ナット「2」を締める。




図25
左右方向の回転調整。
大きく回転させる場合、ギヤ解除レバー「1」を下方に押し下げる。1目盛り=100ミルで刻まれたリング「2」の数字を見ながら、設定する角度になるまでRkr.本体を横に回し、ギヤ解除レバーを戻す。この時にノブ付きネジ「3」はしっかりと締める。1ミル毎の微調整は「4」のダイヤルを回す。




図26
大雑把な左右角度の設定。
基本照準点(G.R.P.)または目標(Z.)のラインを3200-0に設定する場合、支柱に固定するノブ付きネジを緩め、32の数字が使用者の正面に向くようRkr.を回転させる。




図27
小型三脚のダイヤルを使用した細かい角度調整。
小型三脚に付いているダイヤルは3200-0に設定したラインをさらに微調整できる。三脚支柱の垂直軸を中心に回転させることができる。(図22を参照)




図28
Rkr.の角度調整。
高さ(地形角度)の角度測定には1目盛り=100ミルの表示「1」と1目盛り=1ミルの微調整用表示「2」がある。調整はダイヤル「3」を回して行います。水平器「4」で水平に設定すると、赤の無限マークで強調された「300」に指標が合う。




図29
Rkr.望遠鏡のレティクル。
レティクルには隣接した目盛りが付いている。垂直方向と水平方向の二重目盛りによって目標の高さと幅を正確に測定できる。垂直距離目盛の下には6×30双眼鏡と同じレティクルがあり、これでも目標の幅を測定できる。望遠鏡の倍率は8倍、1,000mでの視野は約120m。




図30
砲隊鏡(SF14Z)はRkr.と同様に、1目盛り=100ミルの表示「1」と1目盛り=1ミルの微調整用表示「2」を備えた横方向の回転盤、1目盛り=100ミルの表示「3」と1目盛り=1ミルの微調整用表示「4」を備えた角度計測装置を持っている。望遠鏡の倍率は10倍、1,000mでの視野は87mあり、詳細な角度計測に使用できる。




図31
間接射撃用計算尺は副尺「2」付きのベース定規「1」、左側の角度盤「3」とこれにつながる左側の目盛り付き定規「4」、右側の角度盤「5」とこれにつながる右側の目盛り付き定規「6」、ダブルスライダー「7」から構成されており、縮尺は1:25,000。三角形を作り計測する方式で、基本照準点や目標へ武器を向けるための最初のガイドとして、また目標を変更する際に必要となる距離や角度を決定するガイドとして使用される。




図32
副尺の使用例。
ベース定規で距離を238mに設定する。まず副尺の「0」の線を「22」に設定します(a)。次に副尺の「18」の線が下の目盛り線と一致する位置へ動かします(b)。




図33
間接射撃用計算尺を扱う練習例。
a)観測点(Rkr.)から目標(Z.)までの距離 1,920m
b)観測点から重機関銃(G.M.G.)までの距離 140m
c)角度 0958ミル
d)射撃位置はRkr.の左側




図34
手順1 基本の調整。
1.Rkr.とG.M.G.の距離140mの設定
a)クランプネジを緩める。
b)副尺の数字「0」の目盛りを「1.4(140m)」に合わせます。
c) aで緩めたクランプネジを締める。

注意:ベース定規の目盛りは0から1,500mです。0、1、2などの番号が15まで付いています。短い印の目盛りは20m、長い印の目盛りは100mです。副尺には10個の目盛りがあり最小で2m刻みの調整ができる(図32参照)。




図35
角度盤の調整。
2.角度0958ミルを設定
a)クランプネジ「1」を緩めた状態で右側の角度盤「2」を0958ミルに設定する。これを行うには副尺の目盛り「0」を「0940」に設定し、次に調整ダイヤル「3」を回して副尺の目盛り「18」の線が合うように調整する。
b)クランプネジを締める。

注意:
射撃位置が観測所の左側にある場合、右の角度盤を使用する。
射撃位置が観測所の右側にある場合、左の角度盤を使用する。

左と右の角度盤は、それぞれ3,200から6,400、または0から3,200ミルまでの目盛りがあり、20ミル間隔で目盛りが付いている。左右の角度盤の目盛りは互いに逆方向に付いている。これに対応する副尺は10個の目盛りがあり、2ミル単位での読み取りが可能。(図32も参照)




図36
距離の設定。
3.Rkr.と目標(Z.)の距離1,920m
a)クランプネジ「1」を緩め、右側の定規「3」のダブルスライダー「2」で距離1920を調整する。
b)クランプネジを締める。
注釈:左右の距離定規の目盛りは300から4,500mです。1目盛り20mの距離に相当し、5mまでの距離を設定・読み取り可能です。




図37
決定された値の読み取り。
図34から図36の操作によって値が決まり、読み取れる状態となった。
a)左側の角度盤「1」に0904(これはRkr. - G.M.G. - Z.の角度 図33参照)が示されている。
b)左側の定規「2」に2,000m(正確には2,005m)。これはG.M.G.とZ.の距離を示す(図33参照)。




図38
目標の変更。
目標を変更するには、左側の角度盤の裏側と右側の角度盤表に調整可能な円形リング「1」があり±800の目盛りが付いている。副尺「2」を使用して最大2点の読み取り、または設定が可能。(副尺の調整については図32を参照)




図39
目標変更の練習。
a)Rkr.とZ.2の距離 2,200m
b)Z.1とZ.2の角度は80(図33も参照)




図40
基本方向から80マイナス!観測点から目標までの距離2,200m!
a)円形リング「1」の0マークと副尺「2」の目盛り「0」を合わせる。
b)クランプネジ「3」を締める。

図は左側の角度盤裏側のみが示されているが、表側も同様に設定する。




図41
c)左右両方の角度盤「2」とダブルスライダーのクランプネジを緩める。
d)右側角度盤の円形リング副尺のマーク0を-80に合わせる。
e)クランプネジ「1」を締める。




図42
f)右側定規のダブルスライダー「1」を距離2,200に設定。
g)右定規のクランプネジ「2」を締める。
h)左定規の距離2,295「3」がG.M.G.と変更された目標との距離を示す。(図39を参照)




図43
i)Z.1からZ.2への変更に伴うG.M.G.の角度を読み取る。左角度盤裏側から-72。




図44
地形角度測定器 5/6400
水平と地形角度を大まかに測定するために使用する。地形角度は水平面と銃口の射線によって形成される角度。(図4を参照)




図45
地形角度測定器 5/6400には目盛りプレート付きの照準拡大鏡が装備されている。使用方法は本体のプレートに記されている。1目盛り5ミル。測定角度は±500ミルまで。




図46
地形角度測定器を使用した大まかな射撃仰角の決定。

小隊長または分隊長は隠蔽された射撃位置につく前に概算の仰角を指示し、機関銃の弾丸が遮蔽物を超えられるかどうか、確認する。

a)照準角(図4を参照)
照準角は機関銃と目標(または機関銃と基準照準点)の距離に依存し、「MG34射撃表(ラフェッテ34用)の第3項(H.Dv.73の付録6)から決定できる。
例:機関銃 と 目標間の距離 = 1,950m → 照準角=「55ミル」




図47
b)地形角度測定器(Dw.M.)で大まかに測定した地形角度(図4参照)。
地形角度測定器は膝立ちまたは伏せた姿勢で片目の前で構え、目標(または照準基準点)と角度目盛りを同時に読み取る。得られた角度数値は、
a)プラス(+)であれば、照準角から求めた目盛り数に加算、
b)マイナス(-)であれば、それから減算する。

例(図46の続き):
目標に対する地形角度 = -10 → 命令:「大まかな仰角 345!」

※水平位置=300ミル 300ミル+55ミル+マイナス10ミル = 345ミル




図48
地形角度測定器(Dw.M.)は各機関銃指揮官が隠蔽射撃位置を選定する際に、遮蔽物との角度(図44参照)を測定するために使用される。

測定時には、目と角度測定器を機関銃の後ろ、実際に照準する高さに合わせ、測定器は静かに垂らす。

斜面の角度に基づく値を得るため、まずは遮蔽物の角度を測定する。
この値に以下を加算する:
a)弾丸が上を通過する遮蔽物までの距離が300m未満、かつ友軍部隊が遮蔽物上または内部にいない場合は16を加える。
b)それ以外の場合は、遮蔽物や友軍部隊までの距離に対応する安全角度を目盛りに数に加える。

斜面の角度に基づく値は小隊長または分隊長が指示する「大まかな仰角」以下でなければならない。


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