■レシーバー その2
ピストルグリップとロアレシーバ本体は前後2本のピンで結合され容易に取り外しができる。それぞれの嵌合部やピンが通る穴は寸分の誤差もなく、ギリギリのクリアランスをもってピタリと合う。ピストルグリップはベークライト製のグリップが付いているが、やや角ばった形状となっており、小さな手では握り難さを感じる。
繊維が混ぜられたようなベークライト樹脂独特の模様が確認できるグリップ(左側)の裏側には2か所に刻印が入っている。「TS 3323」の刻印は右側グリップでは「TS 3322」となり数字が変わる。写真右側は「materialprüfungsamt」と呼ばれる刻印で、製造メーカーと樹脂の種類がコードで表記されている。
グリップパネルで隠れる内側は機械加工されておらず、粗い表面仕上げが残っている。グリップ下の穴が空いた突起はスリング装着部。
左側面には「Z」のような刻印と見慣れない円形マークが確認できる。
レシーバー各所には機械加工の切削痕が残る。良質の鋼材といわれるスウェーデン鋼の塊から複雑に削り出された仕上がりは美しい。
レシーバー内に収まるボルトとリコイルスプリング。写真はボルトが前進した状態。銃身の薬室後部とボルトにそれぞれ加工された斜めの溝が噛み合い、銃身とボルトがロッキング(閉鎖)している。射撃する場面以外は基本的にボルトを前進状態とする。
コッキングハンドルを引くとボルトはシアーに掛かって後退位置で止まり、この状態から射撃サイクルがスタート(オープンボルト方式)する。
レシーバー右側に2本のマイナスネジで固定されたプレートはボルトのエジェクターを作動させるためのもの。