■ストック・バッファー・リコイルスプリング














ストックはMG34と同様に、ベークライトの樹脂製と木製の2種類が存在する。

初期のMG42はベークライト製を採用していたが壊れやすいと判断されたため、1943年2月以降は積層のブナ材が使用された。しかしこのブナ材も破損が多かったためストック基部に鋼線を巻きつけて補強が施された。さらに1944年1月以降になると白樺や他の広葉樹なども使用されるようになった。

このMG42に付属するストックは鋼線の補強がある単材となっているため、1944年1月以降に生産された可能性がある。左側面には製造番号と思われる「772」の刻印があり、肩当て部には滑り止めの溝が加工されている。




ストック基部の下側にある丸いボタンを押しつつ左右のどちらかへ45度ほどストック本体を回転させるとレシーバーから簡単に外すことができる。













ストックの取り付け基部。














ストックとレシーバー後部の中間にはストック基部が一体となったバッファーが収まり、射撃の反動を吸収する。










四角断面を持つ強力で堅固なバッファースプリング。後退するボルトを受け止め反動を吸収すると共に、ボルトの前進を加速させる。ストック基部に大きなマイナスネジで固定され緩み防止のピンも打ち込まれているが、射撃の都度、強烈な衝撃が加わるため定期的にネジの緩みを確認する必要がある。




バッファー基部に差し込まれるリコイルスプリング。










リコイルスプリングは極初期型を除き(一般的な単線スプリングを使用)、ソビエト軍の鹵獲兵器からアイディアを借用したといわれている寒冷地に強い3本の金属線(1本の直径は1.4mm)をよったものが使用されている。




兵士教育用のスライドとほぼ同じアングルの写真でリコイルスプリングの正しい長さを示す。フィードカバー後部からリアサイト前方付近まででおおよそ44~45cm。これよりも大幅に短い場合は新品に交換する。




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